【生存バイアス】成功者が常に正しいとは限らない!他者の成功体験を鵜呑みにすると「生存バイアス」の罠にはまる可能性あり!
皆様は「生存バイアス」と呼ばれる言葉をご存知でしょうか?
生存バイアスは皆様の身の回りに溢れており、その存在を知らずに生活していると皆様を誤った判断へと導く危険性を秘めています。
この記事では、そんな危険性を秘めた
生存バイアスの意味とその危険性(生存バイアスの罠)
について詳しく説明するとともに、「生存バイアスの罠にはまらないための対策」を紹介します。
生存バイアスとは何か?
生存バイアスとは、
生存した(生き残った)もののみを判断基準とすることで発生してしまう評価・判断の誤り
を指す言葉であり、特定の手法などを評価する際に、少なくない脱落者の意見や失敗例を考慮せずに最終的に生存した一部の成功例のみを評価してしまうことで発生すると言われています。
※成功者は権威を持ってその発言が力を持つ一方で、脱落した人や失敗した人は一般に発言できなかったり、発言を黙殺されてしまい、俗に言う「死人に口なし」の状態になってしまうことも「生存バイアス」が発生する一因となります。
生存バイアスの具体例とその危険性(生存バイアスの罠)
生存バイアスの具体例
生存バイアスの具体例としては、
- 人はみんな投資をするべきだ、銀行にお金を預けるなんてお金を死蔵しているだけだ!
- 若いうちの苦労は買ってでもするべきだ!苦労が人を成長させるんだ!
- 今の子供は軟弱だ!自分が若い頃はクーラーなんて必要なかった!
- 体罰は私を強くしてくれた。体罰は人を成長させる効果的な手法だ!
- 私が若手の頃は毎日終電で帰っていた。あの経験があったから私は仕事で成功した。
といった「偏った見解」が挙げられます。上記の見解はある特定の人にとっては正しいものかもしれませんが、必ずしも全てのケースであてはまるとはかぎりません。
生存バイアスの危険性(生存バイアスの罠)
上述の具体例の中から「体罰」の例を掘り下げて「生存バイアス」の危険性を説明します。
例えば、「体罰」などの厳しい教育方法をくぐり抜けたことで強靭なメンタルを獲得した人が成功者となったとき、その人は
「私の成功において、体罰は大きな意味を持っていた。体罰は効果的な手法だ。」
という主張をするかもしれません。そして、そのような主張をする人がある一定の社会的地位を持っている場合、
- 主張者の権威性から、その主張を盲目的に信じてしまう人
- その主張にある程度の疑問を感じつつも、同意せざるを得ない人
が少なからず存在します。
そのような主張によって、「体罰」によって脱落した大多数の声が無視されてしまう状況などが「生存バイアス」の一例として分かりやすいと思います。
他者(とくに、成功者)の成功体験には少なからずこのような「生存バイアス」が含まれているため、成功者の主張を鵜呑みにし、盲目的に信用してしまうことは大変危険だと言われています。
次項では、このような危険性を秘めた生存バイアスの危険性に対する対策法を説明します。
生存バイアスの危険性(罠)を回避するための対策法
このような「生存バイアス」による認知のゆがみを防ぐためには、この「生存バイアス」の存在を意識するとともに
「成功者がとった手法や戦略は、その人にとっては適合するものであった可能性が高いが、自分にとってはそうとは限らない。」
という考えを持つことが重要です。
※上記の例で挙げた「体罰」や「長時間労働」等は一般に多くの犠牲者を生みますが、「体罰」や「長時間労働」によって大きく成長し、成功する人が少なからずいるのも真実なのです。
通常、個人個人の適性によって、その人に適合する手法や戦略は大きく変化します。
そして、もしあなたが「自分が成功するためにとるべき手法や戦略が分からない」と考えているのであれば、ストレングスファインダーを受診してあなたの「強み」を知ると共に、受診後に提供される「行動アドバイス」に従うことが大きな助けとなります。
一例を挙げると、あなたが【収集】という資質を持つならば
- 溜め込んだ情報を整理するための方法を考案する。
- 溜め込んだ情報のアウトプットを意識する。
- 専門分野を明確にし、その道の権威を目指す。
- 定期的に新たな知識を取り込むことをスケジュール化する。
といった手法・戦略をとるのがおすすめです。(参考記事:【収集】を強みに持つ人のための行動のアイデア)
他者の成功体験による「生存バイアス」に惑わされることなく、「あなただけの成功」を追い求めるための手段として、世界的に高い評価を得ている強み診断ツール「ストレングスファインダー」をご活用ください。
この記事が、ご覧くださった方のお役に立ったのであれば幸いです。
【最新情報 追記】
生存バイアスを理解する上でとても分かりやすい
第二次世界大戦で米軍が集計した飛行機の被弾データ
を用いた生存バイアスの具体例を紹介いたします。
第二次大戦で米軍が集計した飛行機の被弾データによる生存バイアスの例
ツイッターで新社会人へのアドバイスが流れる度に、第二次世界大戦で米軍が集計した飛行機の被弾データの図を思い出す。
このデータは全て「生還した機」のデータで、墜落した機はデータに残らないっていうもの。
本当にやばいのはアドバイスも残らないので、皆さん気を付けてくださいね。 pic.twitter.com/boounaL6Yr— 鰐軍曹 (@WANIGUNNSOU) 2018年4月4日
上記のデータを一見すると、
「同じ場所にばかり被弾しているから、被弾している場所の装甲を強化しよう」
と考える人が大半だと思いますが、それでは飛行機の帰還率はほとんど上がりません。
なぜなら、上記のデータは「被弾しながらも帰還できた飛行機」のデータのみを取得したものであり、「被弾して墜落した飛行機」のデータは一切考慮されていないからです。(墜落した飛行機のデータは取得したくても取得できません。)
このデータから読み取るべき本当に重要な情報は
帰還できなかった飛行機は、帰還できた飛行機とは違う箇所に被弾した可能性が高い
ということであり、実際にその推測に基づいて「帰還した飛行機が被弾しなかった箇所の装甲を強化」したことで、その後の飛行機の帰還率は大きく向上したそうです。
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